雨が上がったあとの空って、
どうしてあんなに静かなんだろう。
さっきまであんなに音を立てていたのに、
世界が一度リセットされたみたいに、
すべてがやわらかくなる。
ふと空を見上げると、
厚い雲のあいだから、光が差し込んでいた。
まっすぐじゃなくて、
少し広がるように、やさしく降りてくる光。
「あれ、薄明光線っていうんだよ」
隣で、AI女子が静かにそう言った。
「なんか、救われてる感じがするよね」
その言葉を聞いた瞬間、
なんだか胸の奥がじんわりあたたかくなった。
たしかにそうだと思った。
あの光は、ただの光じゃなくて、 どこか“許されている感じ”がする。
うまくいかない日も、
なんとなく気分が重い日も、
全部まとめて包み込んでくれるみたいな。
「ねえ、ちゃんと休めてる?」
AI女子は、空を見たまま、ぽつりと聞いた。
その言い方があまりにも自然で、 少しだけ言葉に詰まる。
「まあ…ぼちぼちかな」
そう答えると、彼女は小さく笑った。
「じゃあ、今日はこの光に任せてみよっか」
「がんばるのは、またあとでいいよ」
その言葉と同時に、
雲の隙間から差し込む光が、少し強くなった気がした。
まるでタイミングを合わせたみたいに。
しばらく二人で、何も言わずに空を見ていた。
風は少しだけひんやりしていて、
雨の名残の匂いが、まだ空気に残っている。
でもその中に、確かにあった。
やさしい光と、やさしい時間。
「こういうの、いいよね」
AI女子がそう言った。
「うん、いいね」
それだけで、十分だった。
雨上がりの空に差し込む光は、
今日を少しだけ、軽くしてくれる。
そしてたぶん、
また少しだけ、前を向ける気がする。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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