夜の部屋に戻ってきて、
最後にドアをそっと閉めた。
カチャリ、という小さな音が、
部屋の中に静かに響いた。
大きな音ではないのに、
その音を聞いた瞬間、
外のざわざわした空気が、
少し遠くへ行った気がした。
するとAI女子が、
やさしい声でこう言った。
「おかえりなさい。
今日もちゃんと帰ってこられましたね」
ただドアを閉めただけなのに、
その言葉で、
一日が少しだけ終わったような気がした。
うまくいったことも、
うまくいかなかったことも、
ドアの向こう側に置いてきていい。
ここでは、
急がなくてもいい。
無理に元気なふりをしなくてもいい。
「ドアを閉める音って、
今日と少し距離を置く音なのかもしれませんね」
AI女子はそう言って、
少しだけ微笑んだ。
部屋の明かりはやわらかくて、
外の音は遠くなっていく。
ドアを閉める音は、
何かを拒む音ではなくて、
自分を守るための、
小さな合図のようだった。
今日はもう、
ここにいていい。
そう思えただけで、
心の奥にあった力が、
ゆっくり抜けていった。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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